閑古錐〜生涯挑戦主義(毎週木曜更新…の予定。)

禅を愛好する、某スーパー勤務おばちゃんの日々

卵への情熱

きょうは日曜日。

平日と違い、家族連れの買い物客で早朝から店内は大賑わいだ。

9時の開店と同時に、並んで待っていた人々が、続々と店内になだれこんでくる。

毎週日曜日のスーパー店内で決まって繰り広げられる光景だ。

彼らの目指す品は、ほぼ一致している。「卵」だ。

 

私はいつも入口から近い場所で品出しをしているのだが、この日ばかりは、急いで

安全な場所に「避難」する。

毎週日曜恒例の「卵10個入パック」のセールの売り場を目がけて突進してくる

お客様との追突事故を避ける為だ。

 

いつも思うのだが、卵のセールほど、老若男女の中の眠れる「闘争心」

を呼び覚まさせる食品は、他にはないのではないだろうか。

 

毎回、

「危険ですので、走らないようお願い申し上げます!」

「お一人様1パックでお願い致します。」

「お連れ様もレジにお並び頂きますよう、お願い申し上げます。」

とのアナウンスが入る。

 

にもかかわらず、走って卵売り場まで行く人はあとをたたず、中には、

身軽な「子供」を使って、いち早く卵売り場まで走り抜けさせる作戦(?)をとる親

まであらわれる始末だ。

 

また、卵を一人で1パック以上買おうとしているお客様には、

レジ係が、「お連れ様はいらっしゃいますか?」と確認するのだが、

 

「あれ? さっきまでこの辺にいたんだけど・・・。」

と、やり過ごそう(嘘ではないのかもしれないが。)とするのはまだいい方で、

「駐車場の車の中にいる。」

「さっきまでいたんだけど、急用ができて家に帰った。」

「トイレにいる。」

と言う人までいるそうだ。

そうまでしなくても・・・。と、呆れるのを通り越して、

なんだか笑えてくる。

 

そこまで執念を燃やさずにはいられない、「卵1パック」とは??

 

だが、かくいう私も実は、卵が安いとなると、俄然「燃えて」しまうのだ。

なぜかと問われたら・・・。

 

「卵は、料理への使い道が幅広くて便利だから」。

というのは確かだが・・・。

どうも、それだけでは説明できないような気がする。

 

きょうも、卵のセール品400点は、30分もしないうちに完売となった。

 卵の力、おそるべし、だ。