閑古錐〜生涯挑戦主義(毎週木曜更新…の予定。)

禅を愛好する、某スーパー勤務おばちゃんの日々

母の毛糸で

今、私の亡くなった母の毛糸で、カーディガンを編んでいる。
昨年の暮れに実家に行った時、毛糸が5玉入った紙箱を見つけた。何を編むつもりだったのか、幅15センチほどの編みかけのメリヤス編み地が毛糸玉に混じって入っていた。ちょうど、手芸雑誌に載っていたカーディガンで編みたいと思っていたのがあり、糸の色と太さが合いそうだったので自宅に持って帰ることにした。ただ、カーディガンを編むには5玉では足りなそうだった。でも、似た色を買い足して対処することにした。

後ろ身頃を編み終わり、前見頃を編んでいる途中で案の定、毛糸玉がなくなった。
一昨日、似た色の毛糸を探しに街の大型手芸店に出掛けた。母の毛糸玉は5玉ともラベルがついていたので、それを頼りに探してみたが、やはり長い年月が経っている毛糸らしく、見当たらなかった。
諦めかけた時、ラベルのブランド名と同じ名前の毛糸が陳列されている棚があることに気づいた。近づいて見ると、糸の色見本が棚にぶらさがっていて、その糸の中に、母の糸とよく似た色があるのを発見した。その毛糸は陳列棚には置いていなかったが、ダメ元で店員さんに聞いてみたところ、メーカーに在庫があれば取り寄せが可能だという。
問い合わせに少し時間がかかるとのことで、自宅に結果を電話連絡してもらうということで、良い結果を願いつつ帰宅した。
約束した18時になってすぐに自宅の電話が鳴った。在庫が有ったので、希望の個数を取り寄せてもらえるとの返事だった。良かった!
それにしても、よく都合よく入手できることになったものだ。母の毛糸は、一体いつのものなのだろう。私が小学生の時には母が編んだセーターを何着か着た記憶があるが、その後は母が編み物をしているところは見たことがない。まぁ、ともあれ、毛糸を死蔵させておくよりは母もたぶん喜んでくれるだろう。
『あら、そんな毛糸があったなんてすっかり忘れてたわ。』と言うかもしれないが・・・。

日日是好日

毎日が好い日、という意味で使われることが多いようだが、本来の意味は違うという。
どんな日もかけがえのない日。一瞬も大切にして、自分の生き方にきちんと向き合うことが、「好日」につながる、ということだろうか。
ダメ元で毛糸を探したことで、よい結果につながった今回の出来事。私の毛糸が店に入荷するのは2月に入ってからなので、それまでカーディガンを編むのは中断だが、毛糸を入手したらきちんと完成させよう。それは、母を偲ぶことにもなるから。