閑古錐〜生涯挑戦主義(毎週木曜更新…の予定。)

禅を愛好する、某スーパー勤務おばちゃんの日々

念願叶って

きょう、簿記3級試験合格祝いとして、念願だった高級フレンチレストランのランチに行ってきた。
一人ランチは何回も経験しているが、きょうのような高級店での一人ランチは初めてなので、結構緊張した。予定通り、着物を着て行った。外食の時に着物を着ていると、お店の人から、「このお客は只者ではない。」と特別な目で見てもらえる(ような気がする)からだ。
店内に案内される時、『こういう所は慣れているという風で・・・。』と心の中で自分に言い聞かせながら背筋を伸ばして歩いた。(実は緊張でコチコチ。)

前菜から始まり、運ばれてくるコース料理を味わっている内に緊張は解けてきた。どの料理もさすがに美味しい。
周りの人々をそれとなく観察する余裕もでてきた。
こういう高級レストランだと、周囲から聞こえてくるお客同士の会話も、気のせいかどの人も高尚な話をしているように聞こえてくる。たまには日常から離れてワンランク(いやそれ以上か)上の場所に身を置くことは良いものだと感じた。なにより気持ちが豊かになる。

それはさておき、並べられたフォークやスプーンをどの順番で使うのか少々自信がないまま使った。帰宅したら食事のマナーをもう一度確認しなければと反省しつつ料理を味わった。

食事中、感心したことがあった。パンを食べていた時、私はうっかりパンくずを床に落としてしまい、『しまった!』と思ったのだが、自分で拾うのはマナー違反と聞いていたので、恥ずかしいがそのままにしておいた。するとしばらくして、私の隣のテーブルに料理を持ってきたウエイターが、去り際に床のパンくずをサッ!と素早く拾って去っていった。あんな小さなパンくずを見逃さずに拾うとは・・・!
料理も素晴らしいが、中で働いている人も素晴らしいと感服した。私も接客に携わっている身として見習わなければと思った。

行住坐臥(ぎょうじゅうざが)

行き来、起き伏しの日常の立ち居振る舞いのこと。これを日々振り返り、反省することで、自分を高めることができ、美しい生き方につながる。
床に落ちている小さなパンくずを見逃さず、お客様に気づかれにくいよう素早く拾って颯爽と立ち去っていったあの青年(心なしかイケメンにみえた。)の行動を心に留めて、私も美しい所作・生き方を目指したい。