閑古錐〜生涯挑戦主義(毎週木曜更新…の予定。)

禅を愛好する、某スーパー勤務おばちゃんの日々

囚われの2月

きょうは節分。
元々は関西方面の風習だった「恵方巻」が、今や北海道でもすっかり定着した。
私のパート先のスーパーでも、今朝は恵方巻太巻き)の製造で大忙しだ。
節分の日は、普段は作られていない、多種多様な具材が使われている太巻きが並ぶので、毎年楽しみにしている。きょうは、仕事が終わったら太巻きを買って帰る気満々で出勤した。
オーソドックスな具材の太巻きもいいが、普段は滅多に店頭では見かけない、トンカツやエビフライが具材の太巻きについ手が伸びてしまう。普段はカロリーを気にして揚げ物類は控えめにしているのだが、きょうは気にしないことにする。

恵方巻が定着する以前は、自宅の室内でただ豆まきをするだけ(その年によっては、面倒でそれすらしないこともあった。)だったのが、「太巻きを、その年の恵方(今年は西南西)を向いて無言で食べる」は、毎年欠かさず実行している。その代わり、豆まきの方はすっかり行わなくなってしまった。
ところで、太巻きを買って帰宅してからふと思ったのだが、昔は太巻きは家庭で手作りするのが当然だった。今は、買うのが当然となっている。
いや、今でも手作りするのが当然という家庭も、けっして無いとはいえないだろう。けれど、節分の日はスーパーでもデパ地下でも太巻き売り場が大賑わいというのが風物詩となっているというのは、買う人がそれだけ多いという事だ。
我が家では、2月は太巻きの出費とバレンタインデーのチョコレートの出費が重なって、家計は年末年始時期に次いで出費が多い月だ。

規矩不可行尽 (きくおこないつくすべからず。)
規則や指針に縛られるのはほどほどに。といった意味の禅語。

いつの間にか、「2月3日は太巻きを買わなければならない。」「2月14日に向けて、チョコレートを買って置か(もしくは自分の為に。)なければならない。」という思いに、すっかり囚われてしまっている自分に改めて気づいた。いってみれば、2月は囚われの月だ。
考えてみれば、太巻きも、チョコレートも、食品・菓子製造業の販売戦略にまんまと乗せられてしまっているだけではないか。なにも、太巻き・チョコレートを買わなかったところでどうということもないのだ。
しかし! 太巻きもチョコレートも、節分・バレンタインデーの時期にしか出会えない品が並び、どこまでも私を誘惑するのだ。
悩ましい問題だが、とりあえずは、きちんと予算を決め、それを超えないように財布の紐を固くしめるとしよう。