閑古錐〜生涯挑戦主義(毎週木曜更新…の予定。)

禅を愛好する、某スーパー勤務おばちゃんの日々

仕事の「縁」

新型コロナ感染拡大を契機に、医療従事者をはじめ、物流関係、生活必需品販売店、ごみ収集その他、休業要請対象外の仕事に従事する人々への感謝のメッセージを見聞きするようになった。
先日、こんなメッセージを目にして胸が熱くなった。

「スーパーの店員さん、あなた達が感染の恐怖と闘いながら働いてくれるお陰で、私達は生きる為に必要な食品や商品を買うことが出来ます。ありがとうございます。」

一字一句同じではないが、このような内容のメッセージだった。私もスーパーの店員として素直に嬉しかった。私自身は、その日その日の作業を完了させることで頭がいっぱいで、あまり感染の恐怖は感じていなかった(品出しという作業の内容上、レジ係程は多数の来客と接しないせいもあろうが。)ので、自分は現在の世の中の状況では「例外」の仕事に従事しているのだと改めて思った。

もし私が、休業要請対象の職種だったら、今私は、自宅待機か在宅勤務か、あるいは解雇されて無職かもしれない。たまたまスーパーの仕事に就いたことで、新型コロナの影響なく働き続けている。しかし、思い返せば不思議なものだ。自分が接客を伴う仕事に就くなんて、かつては思ってもみなかった。なにしろ、私は接客が苦手だったのだから・・・。
それでも、今私はスーパーで働いていて、接客も苦にしていない。縁があったのだろう。
人との縁も意外なものがあるが、仕事との縁も同様だと感じる。

きょうの禅語
無事是貴人(ぶじこれきにん)禅でいう「無事」とは仏道や救いを外に求めない心。

外にあれこれ求めず、自分が成すべきことをひとつひとつ誠実にこなしていくことが、人の道。
そう心がけることで、この禅語でいう貴人(安心と悟りを得た人)に少しでも近づけるよう、日々を過ごしていきたい。